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「花詰」(はなづめ)作品全体に花模様をあしらい、その輪郭を金で彩色した九谷焼の中でも最も雅で豪華な絵柄です。特徴は花を描くのではなく花の色を最初に器に塗りわけてゆき最後に金で全ての花の輪郭を描きだすというところです。ぼんやりにじんだような水彩画を思わせる彩色と金の輪郭のコントラストをお楽しみ下さい。この金属ステム(脚部)と磁器のカップ部分で構成された作品は開発されてから既に十数年経過しておりますが今でもこの全体のデザインバランスの素晴らしさの評価は衰えることなく近代九谷焼の作品の中でも極めて優れたデザインの作品となっています。 |
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写真左:各色を下絵として塗りわけた上から金での輪郭取りを行うために味のある雰囲気に仕上がります。 |
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九谷焼の絵付は本来、雪国北陸での冬場、農作業が行えない時期に行われた仕事として始められたと云われております。献上品として作られていた九谷焼は生産数を求めるものではなく付加価値を求められた焼物でした。明治期以降、海外への輸出が増え国内でも日常の中で使える九谷焼が普及したことに伴い新たな量産技法として生まれたのが判子絵付技法です。特に連続模様や花模様などでは筆描きの数倍の生産数を可能にし九谷焼をより身近な焼物として生産することを可能にしました。筆描きとは違い判子絵付ならではの模様のズレや金のカスレ、ハミダシ等が発生する事がございます。近代に開発された転写との違いであり先人が残した技法の証となります。 | ||
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作品のお取り扱い方法 磁器の器ですので、特別なお手入れの必要はございません、絵付の美しさ保持の為、食器洗浄機でのご使用はご遠慮下さい。絵付部分はできるだけ他の器に触れないように置いて頂きますと傷がつきにくく最良の状態で長くお使い頂く事ができます。洗浄後は十分乾かしてからご収納下さい。 作品によりましてはカンニュウと呼ばれる焼物特有の細かいヒビがある為に長くご使用頂いておりますと変色する場合がございます。焼物の味わいでもありますが食器用漂白剤をお使い頂く事でご使用前の状態に近づける事ができます。 |
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