ひらりひらりと苦難を乗り切る 招き猫とは違った意味での縁起物、逆立ち猫ちゃん。誕生はここ数年、わりと新しい縁起物だと思われます。逆立ちしている姿が単純に愛らしく足裏から背中にかけての曲線、また背面になる部分のお腹の曲線がたまらなく可愛い猫ちゃんです。縁起物としての意味合いでは猫の華麗な身のこなしを表していると言われどんな高所から落下しても、ひらりと身を返し見事に着地することから、困難、苦難をひらりと乗り切り安全に着地するということらしいです。個人的にはこのフォルムが可愛くてしかたがないです。 ※製作に使用されています磁器粘土に含まれる鉄分が焼成後に小さな黒い点として作品表面に見られる事と粘土の粒子による小さな凹凸がある場合がございますこと、ご了承お願い致します。また薄い色合いの絵具で塗り込まれている部分には塗ムラや濃淡がありますこともご了承お願い致します。 ※ご紹介中の作品写真は撮影用の作品となりますので実際お求め頂く作品と色の濃淡や絵柄の配置位置などに若干違いがございますことご了承お願い致します。 |
九谷焼の置物に見られる独特な絵付技法「盛(もり)」、そのデザインは個性的であり、一見してグロテスクな印象さえ受けるが、この凝縮した超濃密なデザインパターン、良く見ると荘厳かつ絢爛豪華な装いに見えてくる。この技法が多く用いられた明治期、海外への輸出用の作品に描かれたことで一気に広まったと言われている。 絵付は筆ではなく左写真のように絞り袋により下写真(左)の盛絵具と言われるクリーム状の特殊な絵具で描かれる。例えるならケーキの生クリームでの装飾と同じ手法です。絞り方の絶妙な強弱により華やかに描き出される紋様は見事な存在感を創りだします。下写真(右)は絞り袋の先端に付けられる金属製の抽出口ですが使い続けると先端の穴が削れ広がる為、均一な美しい線を描く為に頻繁に交換を要する実に贅沢な技法でもあります。 絵付でありながら2次元での表現ではなく3次元(立体)での美しさの表現は単に鮮やかな色彩のコントラストではなく、立体的な文様それぞれが創りだす陰影さえも作品の美しさとなるのが「盛(もり)技法」の最大の特徴であると言えます。 |
九谷焼には置物を専門に製作する職人がいます。生活空間の欧米化にともない置物を飾る場所や習慣が減少傾向にある現在、置物製作に携わる職人の数もそれにともない減ってきています。非常に高度な造形技術、そして彩色技術を必要とされる専門的な仕事を完全にこなせる熟練した職人は現代では大変希少な存在です。また技術の習得に時間を必要とする為、若手後継者が少ないのも事実です。しかし近年、再び縁起物という日本古来のパワーアイテムが注目され始めたことで置物職人の技が活かされる機会も増え始めてきており伝統の継承という未来への光が少しづつ見え始めてきています。縁起物が日本の伝統文化を代表する作品の一つとしてもっと多くの方々に知って頂き触れて頂ける機会を和座本舗は創造していきたいと思います。 |
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