大人になってから、この手の作品の良さがじわじわ感じれるようになりました。色彩の組み合わせ、デザインモチーフ、手仕事量、どれをとっても過度なまでの凝縮されたデザイン、幼き頃から九谷焼の世界で育った私には煌びやか過ぎるものに対しあまり美しさを感じることがありませんでした。ただ年月が過ぎ大人になった今、世界中で見る工芸やアートと比べた時、この煌びやかに金彩を纏った九谷焼のデザインのオリジナリティとか荘厳さに気付くことができました。高明(たかあきら)氏が描く金を巧みに用いた繊細なデザインはまさに職人技であり卓越した筆さばきによるものは明確です。明治期以降に描き始められた金彩技法、世界に挑んだJAPANKUTANIのデザインを現代も脈々と継承する近代九谷の先駆者のお一人であることは間違いありません。
【主な陶歴】昭和11年生まれ
平成5年米国スミソニアン・サックラー美術館に作品が永久保存される
平成7年タシケント美術館に作品が永久保存される
平成17年秋の叙勲 瑞宝単光章受章
平成17年日本伝統工芸士会作品展特賞受賞
九谷焼の花瓶は飾り花瓶としての要素が強いのでお花を飾るよりも、花瓶単体を飾って頂くことをお薦め致します。もちろんお花も飾って頂けますので、花瓶の絵柄がお花の雰囲気を邪魔してしまう場合は花瓶の裏面を正面に向ける事でシンプルな花瓶としてお使い頂けます。花瓶を置く場合は敷布などを敷いて頂きますと接する面に傷をつける事を防ぐ事ができます。