最も九谷焼らしい作品と誰もが言う。古九谷の色絵を脈々と伝え、技を継承する作家、三ツ井為吉(みついためきち)氏、丁寧に描かれる花鳥の図と小紋の組み合わせは、まさに九谷焼の真髄と言っても過言ではありません。磁器の白さを活かした余白のバランスと濃厚な九谷和絵具の組み合わせが生み出す生粋の和の美。九谷焼らしさを追求した一つの完成形をここに見ることができます。決して華やかさがあるわけではありませんが、眺めている時間とともに静かに心に染みてくる美しさがある作風となります。日本人だからこそ感じることのできる静寂の美、凛とした風情をご堪能頂ければ幸いです。個人的なことになりますが、古典的なデザインの九谷焼作品の中で一番最初に心惹かれたのが三ツ井為吉氏の作品です。もう17年も前の話ですが。
【主な陶歴】昭和10年生まれ
昭和62年 内閣総理大臣表彰を受ける
平成6年 アメリカ N.Y Switzer Galleyにて個展
平成14年 スミソニアン博物館にて個展
平成17年 エドワード・ギャローデット賞受賞
九谷焼の花瓶は飾り花瓶としての要素が強いのでお花を飾るよりも、花瓶単体を飾って頂くことをお薦め致します。もちろんお花も飾って頂けますので、花瓶の絵柄がお花の雰囲気を邪魔してしまう場合は花瓶の裏面を正面に向ける事でシンプルな花瓶としてお使い頂けます。花瓶を置く場合は敷布などを敷いて頂きますと接する面に傷をつける事を防ぐ事ができます。