現九谷焼作家最高峰、人間国宝 吉田美統氏の作品です。数種類の厚みの違う金箔をデザインし重ね合わせ焼成することによって生まれる重厚で奥行きを感じさせてくれる金の崇高な煌き。極めて繊細な金箔加工技術を必要とする釉裏金彩技法では医療用鋏を使用し下絵忠実に切り出していく作業は正に技術の極みである。また焼成する際に融点の低い金を最高の状態で発色させる為、長い年月をかけ計算しつくされた微妙な厚みの調整はまさに修練の賜物であります。九谷焼の中では現代的な色彩であり、その中に金箔のデザインが写りこむ姿は九谷最高峰の趣を発します。300年以上の歴史の中で継承、進化してきた色絵の一つの完成形がこの釉裏金彩(ゆうりきんさい)技法となります。
【主な陶歴】昭和7年生まれ
昭和26年 錦山窯を継ぎ作陶の道に入る
平成4年 石川県指定無形文化財九谷焼技術保存会技術保持者に認定される
平成5年 釉裏金彩鉢 ワシントン・スミソニアン研究機構のサックラー美術館の永久保存作品に選ばれる
平成7年 平成6年度の日本陶磁協会賞受賞
平成12年 第47回日本伝統工芸展監査委員 第47回日本伝統工芸展保持者受章
平成13年 紫綬褒章受章
平成13年 国指定重要無形文化財釉裏金彩の保持者に認定される(人間国宝)
平成18年 旭日小綬章受章
平成19年 「わざの美」大英博物館に選抜出品
平成23年 文化庁企画による工芸技術記録映画製作される
九谷焼の花瓶は飾り花瓶としての要素が強いのでお花を飾るよりも、花瓶単体を飾って頂くことをお薦め致します。もちろんお花も飾って頂けますので、花瓶の絵柄がお花の雰囲気を邪魔してしまう場合は花瓶の裏面を正面に向ける事でシンプルな花瓶としてお使い頂けます。花瓶を置く場合は敷布などを敷いて頂きますと接する面に傷をつける事を防ぐ事ができます。