「金盛唐草(きんもりからくさ)」このデザインは作品全体を唐草のみで埋め尽くしたシンプルなデザインにも関わらず華やかにして優美な雰囲気を放つ九谷塾の作品の中でもフラッグシップの一つとも言える作風です。唐草模様の下には唐草が浮き出るように立体感を生む盛絵具と呼ばれる絵具で下地が施され、その上に金を乗せていく緻密な手法により金が放つ輝きに印影というアクセントを加え極上の美しさを表現しています。SKIPシリーズの中で一番最初に作られた3種類の中の一つということもあり作り手にとって思い入れのある作品となっています。 SKIP(Super Kutani Insect Project)兜蟲(カブトムシ)は、九谷塾が初めて取り組んだプロジェクトから生まれた九谷塾の代表作品です。新たな九谷焼を考える中で色々な意見が集まりました。保温性の高い器とか軽量な器、海外のデザイナーとのコラボレーション、一流ブランドとの連携などなど、どれも確かに新しい何かが生まれるアイデアではあるが決して僕達が目指すものとは何かが違った。少なくとも300年以上継承されてきた技術、そしてデザインを活かし、且つ僕ら自身が生み出す中心にならないかぎり九谷焼のアイデンティティを見失うことになる、そう考えたメンバーが約1年にもわたり討論した結果、導きだした答えが「カブトムシ」なぜ、答えがそれなのか?メンバー全員が共通して好きだったものという理由だけである。そう行き着いた答えは「自分達が好きなものを自分達の表現で創る」これが九谷塾が導きだした「新しい九谷焼」なのです。 |